普通の家庭からでも医学部に合格できる!私の下剋上「医学部受験」体験記♪
医師として働いていると、よく質問されることが2つあります。
それは「どうやったら医学部に合格できるの?」ということと「先生の家ってお医者さんなの?」という2つの質問です。
結論から言うと、僕の家は決して”お医者さんの家庭”ではなく”普通の家庭”です。
そして医学部に合格する秘訣ですが、何か特別な方法があるわけではなくて「努力」「根性」「信念」だと思います。
先日、twitterで次のようなツイートをしてみました。
「医学部に合格する方法」を聞かれることがあります。
普通の家庭(むしろ下克上受験)から国立大学医学部に合格できたのですが、僕なんかに医学部合格の秘訣とか語らせてもいいのかなあ?😅
もし「いいね!」が50越えたら、ブログの記事にしてみます(笑)
基本的には努力・根性・信念です!
— Dr.アキラッチョ🍀 (@happyda51882705) 2017年11月30日
ありがたいことに「いいね!」の数が50を超えてしまいました(笑)
ですので、みなさんとの約束通り「普通の家庭からでも医学部に合格できるよ!」と題しまして、今回はアキラッチョの下剋上”医学部受験”体験記を紹介してみようと思います。
これから大学受験シーズン真っ只中に突入しますが、受験生のみなさんは体調管理に気をつけて、悔いのないように受験勉強頑張ってください!
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【目次】
普通の家庭の子でも医学部に合格できるの?
医学部に進学する子の家は”お医者さんの家”とか”お金持ちの家”といったイメージを持っている方が多い印象があります。
これは国立大学の医学部に関して言えば、半分くらい正解で、半分くらい間違いです。
確かに、親が開業医をしている同級生とか、とんでもないようなお金持ちの同級生はいましたが、普通の家庭で育った同級生もたくさんいました。
普通の家庭で育った同級生の中には、超有名な公立進学校出身の人もいれば、地方で無名の公立高校出身の人もいます。
また、一度大学を卒業してから再受験してきた人や、社会人をしていたけど一念発起して医学部受験をしたという人もいました。
同級生でも歳の差10才くらい普通です!(笑)
もちろん、私立の医大となれば莫大な入学金や授業料が必要となるので、基本的にはお金持ちの家の子しか進学は難しくなりますが、国立大学の医学部であれば、他の学部と授業料など全く同じなのです。
したがって、家がお金持ちではなくても、有名な進学校ではなくても、国立大学の医学部であれば僕のような普通の家の子にも進学できるチャンスは十分あるのです!
初めての大学受験で不合格、そして浪人・・・。
実は僕・・・高校時代すごく学校の成績が悪かったんです。
通学時間が自転車で1時間もかかる普通の公立高校に進学し、部活動はラグビーをしていました。
ラグビーの方は素晴らしい仲間と監督に恵まれたおかげで、県大会で優勝することもできたのですが、肝心の学業の方は高校3年生の春に学年390番台(全校生徒数は約400人)まで落ち込みました。
そして大好きだった部活動を引退し、夏休みから学校の勉強に本腰を入れて、受験勉強にしっかり取り組むようになったのです。
地元の国立大学の工学部を目指し、付け焼き刃の受験勉強を頑張ってみたのですが、力及ばず不合格という結果に終わりました。
その(不)合格発表の帰り道、公衆電話から母に結果を伝えたところ「とにかく真っ直ぐに帰ってきなさい!」と、電話口の向こうですごく心配されてしまいました。
不合格のショックで、僕が死ぬとでも思ったのでしょうか・・・
まあ僕も親になって、初めて「親心」というものがわかってきましたが、すでに僕の中では「絶対にリベンジしてやる!」という闘志が燃え上がっていました。
大学受験に失敗した時点から、僕の肩書きは「高校生」から「浪人生」へと早変わりしました。
僕の両親ですが、中学校を卒業してからすぐに働き始めたので、大学受験というもの自体を全くわかっていませんでした。
(高校受験もしていないので、当たり前ですが・・・)
とにかくどうやって浪人生活を送ればよいのか途方にくれていたのですが、高校の担任の先生に「とりあえず予備校に行ってしっかり勉強しなさい」と言われたので、他の不合格組の友達と一緒に地元の予備校へ入学したのでした。
その予備校ですが、定年退職した高校教師がアルバイトで勤めているといったような”地方の予備校”でした。
まわりを見ても、駐車場でタバコを吸っている多浪生や、僕の通っていた高校で先生をしていたヨボヨボのおじいちゃん先生とか・・・。
流石にこれはマズイっ!と焦った僕は、のちに医学部合格へとつながる勉強法を少しずつ身に付けるようになったのです。
ちなみにこの年は、現役時代に不合格になった地元国立大学の、工学部ではなく薬学部に合格することができました ^ ^
大学に通学しながらの医学部受験・・・仮面浪人の結末は??
当時、薬学部は4年制だったので(現在は6年制です)、入学したと同時に専門分野の講義や実験がバンバン入っていました。
昼間は難しい専門の講義や退屈な教養の講義、そしてなかなか上手くいかない化学実験に終われ続けました。
夜は塾講師のアルバイト、そして友達との飲み会や徹夜のゲームなどで、寝る暇もないほど大学生生活を満喫していました。
そしてあっという間に入学してから半年を過ぎた頃に、ふと自分の今後の人生について考えるようになったのです。
こんな生活を4年間続け、そのまま薬の研究者になるのか、それとも病院で薬剤師になるのか・・・僕は一体何がしたいのだろう?って。
それからというものの、頭の中に雲がかかったような日々が続きました。
僕は一体何がしたいんだろう?
僕は一体何になりたいんだろう?
僕の使命があるとすれば、それは何なのだろう?
毎日のように、こんな言葉が僕の頭の中を支配し続けました。
そしてある日のことです。
通学電車の中で手塚治虫の代表作「火の鳥<鳳凰編>」を読んでいる時に、怒りを糧にして仏師としての才能を開花させる主人公・我王の”生き様”になぜかすごい衝撃を受けて、頭の中にドガーンと雷みたいなものが落ちたのでした。
「そうだ、もっと人と直接関わり合える仕事につこう!」
なぜそんな気持ちになったのか自分でも理解することができませんでしたが、漫画「火の鳥<鳳凰編> 」を読んでいて突然このような”気づき”があったのです。
そもそも薬学部を選んだのが「人のために役に立つ仕事がしたい」という理由でした。
もちろん研究員や薬剤師になっても人のために役立つ仕事はできるのですが、もっともっと人間と直接関わり合える仕事につかなければ!という気持ちが、その時からフツフツと湧き始めたのです。
そして僕は考えて考えて考え抜いた結果、病気の患者さんに直接関わり合える仕事ができる「医師」になろうと決心したのでした。
同じ大学の中で、医学部への学部変更だけは認められていませんでした。
したがってもう一度受験し直さなければなりません。
とりあえず、ギリギリでセンター試験の出願に間に合い、久しぶりに受験勉強を開始しました。
いわゆる仮面浪人ってやつですが、ほんの数ヶ月では医学部に合格するための学力には全然到達することができず、予想通りの不合格でした。
医学部を再受験する!と宣言したものの、友達との飲み会には参加していたし、週末は朝から晩まで遊園地のアルバイトもしていたので、到底無理な話です(よね?)。
薬学部の友人にはこのまま一緒に学生生活を送ろうと優しく誘われたのですが、僕はたった一回の人生なので、本気で医学部受験にチャレンジしたいという気持ちフツフツと心のそこから湧いてきていました。
そして最後は、本当に勢いだけで薬学部に背を向けることを決めたのでした。
医学部受験のために使った問題集はこれだけ!
話を少し実戦的な部分に移します。
医学部受験に限らず、受験勉強をしている時に一番気になることは「どの問題集で勉強すれば合格できるんだ?」ということではないでしょうか?
実際、僕も受験勉強をしている時は同じ気持ちでした。
他の学生が使っている問題集が、気になって気になって仕方ありませんでした(笑)
でも目移りしている暇もないですし、医学部合格に向けて力をつけるしかないのです。
当時、僕が目指していた国立大学の点数配分ですが
✅ センター試験:800点 ✅ 二次試験(筆記) ・英語:400点 ・数学:400点 ・理科(2科目):400点 |
という感じで二次試験重視の大学だったので、とりあえず「英語」「数学」「理科(物理と化学)」を重点的に勉強しました。
とにかくどんな問題が出題されても解答できるように、基本問題を繰り返し練習して、頭の中に100%叩き込むトレーニングをし続けました。
かれこれ20年前の受験ですが、当時僕が使っていた問題集は今でもリニューアルされて販売されているものもあるので、ぜひ参考にしてみてください ^ ^
✅ センター試験対策
基本的には一年間を通じて”二次試験対策”中心の受験勉強になりますが、センター試験も決してないがしろにはできません。
そのセンター試験対策ですが、僕の場合は11月までは二次試験対策の勉強に集中し、12月からセンター試験の勉強を開始しました。
センター試験当日まで、まさにセンター試験対策オンリーです。
習うより慣れろという精神を重視して、各予備校が出版している以下のセンター試験対策問題集をすべて(全教科)使って勉強しました。
✅ 『黒本 』・・・マーク式総合問題集(河合塾)
✅ 『青本 』・・・大学入試センター試験実戦問題集(駿台予備校)
✅ 『白本 』・・・大学入試センター試験実戦問題集(代ゼミ)
✅ 『緑本 』・・・センター試験実戦模試(Z会)
大手の受験予備校から出版されているセンター試験対策問題集ですが、センター試験一ヶ月前からは、朝から晩までこれらの問題集だけをやり続けました。
二次試験対策の勉強は一切することなく、本当にセンター試験対策のみです。
他にもセンター試験の過去問題集(いわゆる『赤本 』)もやりましたが、過去に出題された問題をちょっと確認した程度でしか使っていません。
(さすがにそこまで勉強時間がありませんでしたw)
Z会の緑本は少し難しいので、黒本・青本・白本だけでも良さそうです。
これだけこなせば、センター試験対策はバッチリです!
✅ 数学
理系の受験科目と言えば、やはり代表格は「数学」です。
カリキュラムが大きく変わり、現行の受験数学がどうなっているのか正直わかりませんが、医学部を受験するのであれば数学の点数の取りこぼしは致命的になることは間違いありません。
そこでオススメの問題集は「大学への数学・解法の探求」シリーズです。
僕たちが医学部受験する時代は「大学への数学 解法の探求I・Ⅱ」という問題集があって、受験数学に必要な全ての分野を、基礎から応用まで幅広くカバーしてくれる問題集でした。
この2冊を繰り返し解き続けることで、数学の力がどんどんついていき、本番の二次試験数学ではなんと満点を取ることができました ^ ^
(翌日の新聞で自己採点した結果ですが)
もう一つ絶対に外せないが、細野真宏さんの「本当によくわかるシリーズ」です。
この本は問題集というよりも、わかりやすい「数学講義」の本になります。
数学といっても色んな分野がありますが、僕は中でも「確率・統計」と「行列」という分野がさっぱりわかってませんでした。
高校時代は確率・統計の授業中に立たされて、約30分間にわたり質問攻めにもあいましたが、チンプンカンプンでさっぱりピーマンだったので、大切な授業を僕一人でぶち壊した経験もあります(笑)
しかし”ほぼ知識ゼロ”の状態でも、この本を読むことで圧倒的な”得意分野”に変えることができました。
タイトルの通り「本当によくわかる」ようになる参考書です。
このシリーズ本の使い方はズバリ「苦手分野潰し」で、本当に超オススメのテキストです!
✅ 物理
続いて「物理」です。
二次試験でも大きなウェイトをしめる物理ですが、点数の取りこぼしは数学以上に危険です!
僕が受験勉強に使った物理の問題集は、Z会の「基礎物理問題集」です。
問題を解くための公式を中心に、基本問題から応用問題まで完全にカバーしてくれる問題集です。
この問題集しか使っていませんが、物理も二次試験で満点をとることができました。(ウソじゃないよ)
残念ながらこの「基礎物理問題集」は絶版になっているようですが、その後「物理 解法の焦点 」という問題集へとリニューアルされて販売されています。
医学部受験だけでなく、基礎から物理を学び直したいという受験生の方にも絶対的にオススメします!
✅ 化学
二次試験の理科は2科目必要だったので、僕は「化学」を選択していました。
使った問題集ですが、先ほどの物理と同様でZ会の「化学基礎問題集(上・下)」です。
この問題集だけしか使っていませんが、最初から最後のページまで完璧に理解したおかげで、化学も満点でした ^ ^
二次試験の翌日に新聞で自己採点をした時に「数学と物理と化学が満点だから受かったわ〜!」って無邪気に喜んでいたら、母親に「そんなこと言ってて、また落ちたらどうするん!!」って怒られた記憶があります(笑)
この「化学基礎問題集」の方もリニューアルされて「化学 解法の焦点 」という問題集として販売されています。
もし僕が今から理系の大学受験をするのであれば、理科はZ会の基礎問題集を必ず選ぶと思います ^ ^
✅ 英語
最後の二次試験科目の「英語」ですが、正直言ってめっちゃ苦手でした(汗)
英作文と長文読解の勉強のために、確か旺文社から出ている問題集を使っていた記憶があるんですが、あまり点数が取れなかったと思います。
嫌な思い出はすぐに忘れてしまうタイプの人間なので・・・。
英語の受験勉強で使った本として、はっきり覚えているのがZ会の「速読英単語」です。
長文を読みながら自然に英単語を覚えて行こう!っていうタイプの英単語本ですが、長文慣れするのにも役立つと思います。
まあでも英語がほとんどできなかったのに合格することができたということは、全教科が完璧にできなくても大丈夫ということですね。
弱点補強に莫大な時間を無駄に費やすよりも、得意教科をとことん強化して自分の最大の”強み”にするっていうのも、難関大学や医学部に合格するためには必要なのかもしれませんね ^ ^
ぜひ参考にしてみてください!
一日の勉強スケジュール
薬学部をやめて「いざ再受験!」ということでしたが、さてどうしたものか?と立ち止まってしまいました。
当時、自分の置かれた状況を例えるなら「気がついたら砂漠のど真ん中に立っていた」という感じでしょうか。
とりあえず医学部合格という目標に向かって、一歩ずつでも歩き始めなければなりません。
図書館とかで引きこもりの勉強を続けてもよかったのですが、やっぱり”勉強をする”という生活習慣をつけるのが一番重要だと考えました。
予備校に通うためにはお金が必要になりますが、親には再受験の予備校代まで負担をかけたくなかったので、自分でアルバイトをして通えるレベルの”安い予備校”(まあ、最初に通った予備校になりますが…)を選択しました。
あくまでも予備校は、生活に勉強のリズムをつけるためだけの目的に使ったので、授業中は先ほど紹介した問題集で黙々と勉強し続けました。
夜は塾の講師のアルバイト、そして週末の土日は遊園地でアルバイトをしながら、予備校代や通学費などを稼ぎ出していました。
まず平日ですが、朝は必ず6時に起床して朝食前に1時間ほど勉強します。
朝食を食べてから電車で予備校に通っていましたが、もちろん電車の中でも英単語の暗記など、できる勉強をし続けてました。
日中は予備校の時間割に合わせて、自分の問題集にとことん集中して取り組みます。講義は一切聞いてませんでした。
医学部合格以外に進むべき道も、戻ることのできる道もなかったので、ランチタイムもみんなが楽しそうにご飯を食べてる中で必死に勉強していました。
昼ご飯を食べると眠たくなるし、また意固地になって勉強していた面もあり、いいかどうかは別としてその一年間は一度も予備校でランチを食べませんでした。
予備校での勉強が終わり、帰りの電車の時間まで1時間くらいありました。
自習室で勉強をしていたのですが、秋頃から予備校の講師の先生に頼まれて、予備校の生徒さん達に数学や理科の勉強を教えてあげることになりました。
同じクラスの他の受験生に時々勉強を教えてあげていたのですが、それがすごく好評になって講師の先生の耳に入り、放課後個別指導を依頼されてしまったのです。
無償でしていましたが、僕の前に並んで待ってくれている生徒さん達一人一人に、数学の問題の解き方などをできるだけ丁寧に教えてあげていました。
自分の勉強もそっちのけで、なんでそんなお人好しっぽいことしてたんだろう?って思われるかもしれませんが、当時はそれが当たり前になってました(笑)
でも一人一人の生徒さんが持ってくる数学や物理の問題を一緒になって考えてあげて、きちんと理解できるように説明するというその作業の繰り返しが、僕自身の受験勉強にもなってたんだと思います ^ ^
夜は塾講師(こちらも個別指導)のアルバイトをしていたのですが、小学生から高校生まで幅広く教えていました。
塾講師のアルバイトが終わり、自宅の帰るのが毎日午後10時くらいです。
それから晩御飯を食べて、お風呂に入ったりしていると午後11時です。
寝る前にも1時間くらい勉強していましたが、必ず午後12時には寝るようにしていて、睡眠時間はかっちり6時間を確保していました。
前借りした予備校代を稼ぐために、土曜日と日曜日は朝から夕方まで遊園地でアルバイトをしていましたが、センター試験直前までやり抜きました(笑)
それでもきちんと目標の医学部合格を達成することができたので、やっぱり「努力」「根性」「信念」が一番大切なんだと思います ^ ^
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まとめ
それではシンプルにまとめてみましょう!
✅ 国立大学の医学部であれば、普通の家庭の子でも絶対に合格できる!
✅ 大学受験レベルの勉強であれば、能力の差なんて全く関係ない!
✅ アルバイトしながらでも、集中して勉強すれば絶対に大丈夫!
いかがでしょうか?
今の自分の置かれた状況では医学部なんて絶対に無理だ・・・
という感じで、最初から医学部受験自体をあきらめないでほしいです!
あきらめなければ手段なんていくらでもあります。
いろんな苦境を乗り越えて医学部受験をし、そして合格することができたアキラッチョが最後に伝えたい言葉があります。
周りからは、けなされ「無理だ」って言われてた。でも他人に自分の限界を決めさせたくなかった。
田臥勇太(日本初のNBA選手)
せっかくの”自分の人生”なので、ぜひ”自分”が主役になってくださいね ^ ^
それではまた!