お医者さんの一言ってすごく安心できるんだなあって、あらためて実感した話

お医者さんの一言

 

医師となって10年以上になりますが、最近あらためて「お医者さんの一言」の重要性を感じることがありました。

おそらく今までに1,000人以上の患者さんと接してきたアキラッチョですが、その患者さんの数だけ「お医者さんの一言」を発してきたことになります。

今回は「お医者さんの一言」の重要性について、医師としてではなく患者さんの立場になって考えてみようと思います。

 

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お医者さんの一言ってすごく安心できるんだなあって、あらためて実感した話

以前の記事で紹介したことがあるのですが、僕の小学生の息子は「腰椎分離症」を抱えている水泳選手です。

「腰椎分離症」とはスポーツが原因で腰椎(腰の背骨)に繰り返し負荷がかかり、骨が耐えきれなくなって疲労骨折を起こしてしまう病気で、主な症状は”腰痛”です。

約8ヶ月に及ぶコルセット治療で骨折は治り、水泳のトレーニングを再開することができたのですが、それからまた一年後に再発してしまいました。

とにかく腰が痛くて水泳の練習ができないという状態です。

 

「何事もやってみないうちから諦めない」という僕自身の考え方もあり、息子には「オリンピックで金メダルをとる!」くらいのつもりで、水泳のトレーニングを続けるよう教えてきました。

水泳選手としての実力はまだまだですが、彼の発言や行動を見ていると、本気でオリンピックを意識するようになってきていることが実感できます。

スポーツ選手の中でも、世界一になるような超一流の選手というのは、一点の曇りも迷いもなく「自分は世界一になる!」ということを本気で信じ続けることができる人なのかなあと思いました。

でもさすがに腰椎分離症を再発してしまい、激しい腰痛のため水泳の練習ができないとなると、本人も親である僕も絶望の淵に立たされた気分です。

もう、選手として大好きな水泳を続けることができないのかな・・・と。

 

腰椎分離症

 

さすがに腰椎分離症が再発してしまった時点で、競技としての水泳をあきらめようかとも思っていたのですが、藁にもすがる思いでスポーツ整形外科専門の先生に一度相談してみることにしました。

その先生は、まず最初に息子のレントゲン写真を見て「この年齢で腰椎分離症って、まずいですね・・・。恐らくこの骨はつかないでしょうね」と表情を曇らせてしまいました。

その瞬間、やっぱりダメなんだ・・・と落胆したのですが、その先生はすぐに笑顔になって話を続けてくれました。

「でもお父さん、プロスポーツ選手にも腰椎分離症の人ってたくさんいるので、希望を持っていいですよ

 

「希望を持っていい」

なんと救われる言葉なのでしょうか。

腰椎分離症が再発したことで失意のどん底に沈んでいた僕たち親子の気持ちを、このスポーツ整形外科専門の先生は”たった一言”で救ってくれたのです。

そして優しい言葉だけではなく、腰痛の原因やその対処法、毎日のストレッチとトレーニング法を理学療法士の方と一緒になって丁寧に教えてくれました。

そのおかげで息子は水泳選手としてなんとか復帰することができ、腰痛を上手にコントロールしながら練習を継続することができるようになったのです。

お医者さんの一言で、患者さんはすごく安心することができるし、人生さえも救われることがあるんだなあということを心の底から実感することができました ^ ^

 

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最後になりますが、少しだけ研修医をしていた頃の話をしようと思います。

僕が勤めていた病院では、脳神経外科の患者さんは耳鼻科や口腔外科の患者さんと一緒に混合病棟で入院治療を行なっていました。

ある日、四人部屋に入院している40代の脳腫瘍の女性患者さんを回診した時のことです。

患者さんにその日の体調などを尋ねていると、カーテンがかかった隣のベッドの耳鼻科の女性患者さんからカーテン越しに声をかけられました。

 

「先生って、すごく声がカッコいいですね。福山雅治みたい!」

 

声質からして同じく40代後半の女性と思われました。僕が患者さんに話しかける声を聞いてそう思ってくれたようです。

このように言われるとやっぱり僕も人間なのでちょっと嬉しくなりましたが、その次の瞬間に担当の脳腫瘍患者さんにズバっ!と言われてしまいました。

 

「カーテン開けたらあかんで。カッコいいのは声だけやから」

 

四人部屋はあっという間に笑いの渦に包まれました。

「そしたらカーテン開けるのやめとくわ(笑)」と言って、耳鼻科の患者さんも顔を出してくれませんでした。

その脳腫瘍の患者さんも数ヶ月後には病状が悪化して亡くなりましたが、ほのぼのとした楽しい思い出を残してくれました。

 

まあでも・・・声だけ福山雅治でもいいんです ^ ^

僕はこれからもこの声で、患者さんを勇気付けたり、笑わせたりしながら、よき医師として働き続けようと思っています。

 

それではまた!

 

くも膜下出血、脳卒中、脳動脈瘤