お医者さんの学会の裏話!そもそも学会って本当に必要なの?
これは、とある診療科のお医者さんの学会での実話です。
論文の不正問題を抱えている先生が、その学会の理事になる/ならないという問題で、学会の定時総会で怒号が飛び交うほど炎上したとのこと・・・。
同門の先生だけで学会を牛耳ろうとするお医者さん達がいる一方で、その炎上劇を「今回の学会の一番の見どころ」と言って喜ぶ聴衆のお医者さん達もいたようです。
今回は「学会」というものに全く意味を見出せなくなり、すべての学会を退会したアキラッチョが、今まで見てきた学会という劇場の裏話について語ろうと思います。
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お医者さんの学会の裏話!
お医者さんの学会って、どんなイメージを持たれているのかわかりませんが、一言で言うと「お医者さんの息抜きの場」です。
普段、病院で四六時中働き続けているお医者さんも、やはり人間なので息抜きが必要です。
学会に行くという名目があれば、病院での激務から一時的に解放されるので、その目的だけで学会に参加するお医者さんもたくさんいます。
学会で発表をする場合、病院の宣伝にもなるので病院から出張費をいただくことができるのですが、その出張費(=旅行代)をもらうためだけに、一夜漬けで発表の準備をするお医者さんもいるくらいです。
その学会発表ですが、大きく次の3つの形態に分けることができます。
① シンポジウム
:壇上で30分くらい堂々と話す”一番かっこいい”発表形態
② 口演発表
:5分くらいのスライドにまとめて話す”普通”の発表形態
③ ポスター発表
:張り紙の前で5人くらいの聴衆に向けて話す”最下層”の発表形態
この振り分けは全て学会運営側の判断になるのですが、ここでもあからさまな”黒い力”を感じることが多々あります。
例えば、世界的にも有名な”手術の上手な先生”がいるとします。
その先生の発表を全国のお医者さんが聴きたいということをわかっているにも関わらず、学会を主催する大学病院の教授が「気に入らない!」ということになれば、最下層の発表形態である「ポスター発表」に回されてしまいます。
その一方で、学会を主催する大学病院の中間管理職の先生が、30年くらい特に大きな進歩もない脳腫瘍の放射線治療の発表を、一番かっこいい「シンポジウム」で堂々と発表するということが普通にまかり通っているのです。
発表の最後は”ドヤ顔”で「悪性脳腫瘍の放射線治療は、今後さらなる進歩が期待される!」という言葉で毎年のように締めくくられますが、早く進歩させろよって!毎年のように思っていました(笑)
学会に参加しているお医者さんたちも、みんながみんな勉強しようという強い気持ちで参加しているわけではありません。
専門医とか認定医といういわゆる”資格”というものを維持するために、学会に参加せざるを得ない仕組みを作られてしまっているので、やむなく参加しているお医者さんも結構多いのです。
一万円とか二万円という高額な学会参加費を握りしめ、関西の方から始発の新幹線で学会会場のある横浜まで行き、参加費だけを受付で払ってその日のうちに病院へとんぼ返り・・・という先生もいるくらいです。
何の役にも立たない専門医や認定医という資格に執着するお医者さんもどうかと思いますが、このようなバカげた集金システムをいつまで続けるんだろうって思いますね・・・本当に(笑)
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そもそも学会って本当に必要なの?
そもそも学会って本当に必要なのでしょうか?
お医者さんという貴重な社会資源を数日間であれ拘束してしまうこと自体、社会的には大きな損失です。
その間、医療を受けることができない患者さんは必ず発生してしまうので。
お医者さんにとっても行き帰りの交通費や宿泊代、そしてバカげた学会参加費を含めたら、諭吉さん10枚で足りないこともあり、金銭的な損失は無視できない金額になります。
また、お金の損失もさることながら、行き帰りや学会会場での無駄な移動時間や待ち時間など、時間的損失は非常に大きいと僕は思います。(息抜きの旅行と考えるのであれば、その価値はあると思いますが・・・)
あとは、学会で学ぶことができるものが、犠牲になったお金と時間に全然見合っていないことが多いです。
例えば各地方で行われる学会(いわゆる「地方会」)は、若いお医者さんの発表練習会みたいになっていて、スーツ姿が似合わない若い先生たちが、次のような発表をしています。
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それでは今から僕の発表を始めます!
ある日、スーパーに買い物に行くと、魚売り場に新鮮なブリが一切れだけ売られていました。
そのブリは脂がのっていて、とても美味しそうでした。
どう料理しようかと迷いましたが、多分照り焼きにしたら美味しいだろうと思い、僕はブリの照り焼きを作ることにしました。
たった一切れのブリの照り焼きでしたが、ご飯と一緒に食べるととても美味しかったです。
ブリの照り焼きは美味しかったですが、その時の自分の気持ち次第では、お刺身もありかな?と思いました。
ご静聴、ありがとうございました!
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わかる人にはわかると思います(笑)
まあ僕もこんな発表をたくさんしてきたので、笑えませんが。
さて、お医者さんの学会が必要か?という問題ですが「技術の伝承」の場としては必要じゃないかな?と思います。
この治療はこうするんだったなとか、この手術の手順はこうだったよな、といったような確認作業の場としてまだまだ捨てたもんじゃないのかな〜と。
あとは、わざわざ横浜や大阪に集まって時間とお金を無駄に浪費するくらいなら、Web上でやってくれる方が絶対にいいと思います。
オンデマンドにすれば、自分とって必要な講演だけを選択して何回も聴くことができるので、学習効果も圧倒的に高くなるはずです。
似合わないスーツやネクタイ姿で、広い会場をあっちだこっちだと革靴で走り回っているのなんて、時代遅れだと思わないのかな?
本当に伝えたいことがあるならWebで発表する方がよっぽど拡散するし、手術みたいに本当に学びたいことがあるなら直接学びに行く方がよっぽど身につきます。
まあ僕にとって、今となってはあまり関係のない話なので、これくらいで終わりにしようと思います。
とある診療科のお医者さんの学会が炎上したという話を聞いて、学会というものについてちょっとだけ辛口に考えてみました ^ ^
それではまた!