医師の世界にも「指導」とは名ばかりの「いじめ」がある?思い当たる節を書き出してみた
毎日の通勤の車の中で、Podcastの「NHKラジオニュース」を1.5倍速で聴くことを楽しみにしているアキラッチョです。
いつも通り、右から左へ超早口で流れていくNHKラジオニュースの中に、いじめで不登校になった高校生俳人・小林凛さんの特集がありました。
11歳の時に出版された詩集『ランドセル俳人の五・七・五』は、あの日野原重明さん(故人)が推薦文を寄せるなど、結構話題になっていたとのことです。(知らなかった・・・)
←僕は買います ^ ^
この日のラジオニュースの最後に、自分自身も学校でいじめられた経験を持つニュースキャスターが、次の言葉で番組を締めくくっていました。
「希望というものは、見失うことはあっても、無くなることはありません」と。
この言葉を聞いた時に、僕自身も研修医の頃に「いじめ」に似た辛い経験をしたなあ・・・と、思い出してしまったのです。
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医療の現場というものは、すべての医療行為が患者さんの命に直結するため、一人前の医師になるまでは非常に厳しい指導を受けます。
厳しくて当たり前だとは思いますが、その「指導」というものが度を超えて「いじめ」のようになる場合もあり、自身の研修医時代を思い返してみると「やっぱりあの時の〇〇先生の態度って、いじめだったかもなぁ・・・」と思えるものが多々あります。
具体的には・・・
・研修医として初めて執刀する手術の時に、指導してくれないどころか、手術室にすら来てくれなかった。(手術は成功しましたが・・・)
・助手として手術室に行ったのに「邪魔だから、お前なんか来なくていいよ!」と怒鳴られ、退室させられた。
・なのに、手術室に行かなければ「手術があるのになんで来ないんだ!お前はそれでも医者か?」と、1時間以上ネチネチ説教を受けた。
・患者さんもいるナースステーションで「(他の上司も含めて)お前らは白衣を着た殺人者だ!」と怒鳴られた。
・最後は無視され続けた。
といった感じです。
病院のスタッフも影では僕に同情してくれるのですが、自分に飛び火するのが怖くて助けてくれませんでした。
思い切って所属していた大学医局に相談したのですが、やはり同情してくれるだけで助けてくれませんでした。
いたたまれない気持ちになった僕は、病院の屋上につながる階段に座り、膝を抱えたままじっとしていた時のことを今でも鮮明に思い出すことができます。
ちなみにその指導医の先生は、最終的には病院を辞めることになりました。
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そんな辛い時期もありましたが、今では研修医を指導できる立場になりました。
未熟で世間知らずの研修医を見ていると、僕も若い頃はこんな感じだったんだ・・・と、恥ずかしくなる気持ちでいっぱいです。
ただ、頭ごなしに怒鳴りつけたり、ましてや研修医を無視するようなことは絶対にしません。
なぜなら僕は「指導医にいじめられた貴重な経験」を持っているからです。
指導医の資格を得るために研修もし、コーチングの重要性も学びました。
いい経験、辛い経験、僕がしてきた経験すべてを生かし、これからの日本の医療を担ってくれる若い医療従事者の教育に力を注いでいこうと思います ^ ^
それではまた!
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