今までの自分をフォーマット(初期化)する

フォーマット

「Experience(体験)」

 体験して知ることは

 頭で勉強するより身に付く

アーサー・ホーランド『WALK ACROSS』より

 

僕がまだ36歳だった時の話です。

脳神経外科手術の修行をするために慣れ親しんだ関西地区を初めて離れ、北海道に移り住むことを決心しました。

脳神経外科の世界でゴッドハンドと称される偉大な2人の先生に師事するため、今までの生活の何もかもを捨てて、家族全員を引き連れて雪深い北の大地へと旅立ったのです。

新築したばかりのマイホームですら、たった1年で空き家にしてしまいました。

 

まず最初に師匠に言われたことは「今までの自分をフォーマット(=初期化)しろ」ということでした。

自分が10年くらいかけて学んできた手術技術や知識をすべて捨てて、真っ白な状態で新たに勉強しなさいという意味です。

新しいことを学んでチャレンジしていくためには、すでに身につけている自分の脳神経外科医としての「強み」をバッサリと捨ててしまうことが必要でした。

でも、この自分の「強み」を捨てるということを若いうちに経験することができて、本当によかったと思います。

もしこの時の経験がなければ、アラフォーになって色々なものを捨てて「新しいことにチャレンジする」ということが、おそらく怖くて(守りに入って)できなかったかもしれません。

 

話を戻しますが、北海道での一年間の「体験(Experience)」は、自分にとってかけがえのないものになりました。

普通の病院で10年以上かけて学んできたものが、たった1年で全てひっくり返されるほどの技術と知識を身に付けることができたと思います。

本当に学びたいものがあるならば、一歩引いたところでただ見ているだけでは何年経っても絶対に身につかないということを肌で実感することができました。

今まで自分が苦労して身につけてきたものだけが絶対に正しいんだ!と守るだけの人生なんてそれ以上の進歩は絶対にないし、それを正当化するためだけの人生なんて本当につまらないということに気づくことができたのです。

 

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もう少し見方を変えてみましょう。

超有名なゴッドハンドの元で手術の修行をすれば「本当に脳神経外科医として成功できるのか?」ということを不安に感じ、北海道で学ぶことを躊躇している先生も何人か見かけました。

色々と個人的な事情はあるとは思いますが、そんなことを心配している時点ですでに考え方が間違っていると思います。

一番大切なことは「ゴッドハンドの元で手術の修行をした」という”実体験”だと僕は思います。

修行をした結果、自分が「成功」したか「失敗」したかということは大した問題ではありません。

自分の限られた人生の時間を誰と一緒に共有するかということが、自分の人生を決定づける上で一番重要なことになります。

北海道での厳しい(本当は楽しかった)一年間の”実体験”が僕の人生に自信を与えてくれたし、子鹿のように弱かった自分がライオンのように強くなれたのも、その時の”実体験”のおかげだと感謝しています。

 

「体験して知ることは、頭で勉強するより身に付く」

 

これから僕も年齢を重ねていきますが、この精神をいつまでも大切にして生きて行こうと思います ^ ^

 

医師、アキラッチョ

それではまた!

 

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