中卒で職人になった僕の父が「今度生まれ変わったらやりたいことがある」と語り始めた話
今回は、僕の父親の話です。
僕の父は、早くに病気で母親を亡くしたため、自分の母親の顔を知らずに育ちました。
実の父親は遠方で働いていたので、一緒に生活した記憶がほとんどなく、幼少時代はとても寂しい思いをしたと聞いています。
家はかなり貧しかったため、中学生の頃から新聞配達などをして一生懸命働いていたとのこと。
同級生が高校へ進学する一方で、僕の父親は中学校を卒業すると同時に実家を出て、職人として働き始めました。
暑い日も、寒い日も、世の中が休みの日でも、僕たち家族のために一生懸命働いてくれました。
そのおかげもあって、僕は医師という立派な仕事につくことができたのだと、今では本当に感謝しています。
そんな父親と一緒に、いつも通りお酒を飲んでいた夜のことです。
少しお酒を飲みすぎたのか、いつにもまして饒舌になった父親がこんなことを言い出しました。
「もし今度、生まれ変わるとしたら、ワシはしてみたいことがあるんや」
普段は言葉数が少なく、自分の意見もほとんど言わないような父親が、突然こんな話しを始めたので、僕も家内もちょっと驚きました。
「生まれ変わったら何をしてみたいの?」と、僕の家内が興味津々に尋ねてみたところ、意外な答えが返ってきたのです。
「もし生まれ変われたら、今度はちゃんと勉強してみたいんや」
中学校を卒業し、金銭的な余裕がないため高校に進学することもできず、職人一筋で頑張ってきた父親からそのような言葉が出てくるなんて思いもよりませんでした。
それと同時に、父の子供である僕が自分の好きなように「勉強する」ことができたのは、決して当たり前のことではなく、本当にありがたいことだったんだということに気づかされたのです。
「勉強なんてしたくない」と思っている人は、世の中には「勉強をしたくてもできない人」がいるんだってことを知ってほしいです。
もし「死にたい」と思っている人がいれば、世の中には「生きたくても死んでしまう人」がいるんだってことを知ってほしいです。
ご飯を食べたり、友達と話をしたり、公園を歩いたりなど当たり前にできていることが、もし病気になったらできなくなるんだってことを知ってほしいです。
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置かれた場所で咲く一輪の可憐な花のように、凛として生きていきたいものですね ^ ^
腐らず、焦らず、今の自分が置かれた場所で、これからも精一杯頑張っていこうと思います。
それではまた!
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