素敵な音楽に包まれたい夜は・・・『夜想曲集』カズオ・イシグロ ★★★
早川書房
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ベネチアのサンマルコ広場で演奏するギタリストが垣間見た、アメリカの大物シンガーとその妻の絆とは—
ほろ苦い出会いと別れを描いた「老歌手」をはじめ、うだつのあがらないサックス奏者が一流ホテルの特別会でセレブリティと過ごした数夜を回想する「夜想曲」など、音楽をテーマにした五篇を収録。
人生の夕暮れに直面して心揺らす人々の姿を、切なくユーモラスに描きだしたブッカー賞作家初の短篇集。
新年早々、ノーベル文学賞受賞作家の作品を読んでみようと思い、マイ本棚で一ヶ月ほど眠っていた大江健三郎の『個人的な体験 (新潮文庫) 』を何気なく開いてみました。
ところが、アキラッチョの単純(=超・理系)な脳ミソでは全く理解できない難解な世界が待ち受けていました・・・。
なんとか頑張って5分の1くらい読み続けてみましたが、最終的には何もなかったかのようにそのままマイ本棚にハウスすることになりました(笑)
大江健三郎がノーベル文学賞を受賞した1994年の当時、読書好きの友人が「大江健三郎の小説って、読んでも全然わからんわ〜」とボヤいていたことを、ふと思い出しました。
新年早々から早くも純文学断念か・・・と意気消沈しかけていましたが、やはり年末年始のアルコールでダメージを受けたアキラッチョの脳ミソには読みやすいものから始めなければならないだろう!と考え直し、カズオ・イシグロの『夜想曲集』にたどり着いたのです。
ぼくが今までに読んだことのあるカズオ・イシグロ作品は『わたしを離さないで』と、ブッカー賞受賞作の『日の名残り』の2作品しかありませんが、どちらも安心してその世界観にどっぷりと浸ることができる傑作小説と言い切ることができます。
両作品とも日本とは全く文化の異なるイギリスを舞台にした話なのですが、そんな異国の世界にも安心して入っていくことができました。
話を元に戻しますが、今回読んでみた『夜想曲集』は5つの短編から構成されていて、それぞれの話には「夫婦関係の危機」という共通点があります。
それぞれの話に感動的な結末は用意されていませんでしたが、だからと言って悲劇的な結末に終わるわけでは決してありません。
そして5つの短編の中には、いつも素敵な音楽がBGMとして流れているように感じます。
我々読者も心地よい音楽に包まれながら、カズオ・イシグロの世界に安心して浸ることができるって、本当に幸せですよね ^ ^
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僕は同じ小説を何回も読み返すということを滅多にしないのですが、村上春樹作品と、カズオ・イシグロ作品は何度でも読み返してしまいます。
小説から何かを学ぶという目的で読むのではなくて、ただただその魅力的で不思議な世界に没頭したいという気持ちになってしまうからです。(現実逃避にはもってこいです!)
合わせて、先ほど紹介したカズオ・イシグロの2作品も超オススメなので、読んだことのない方はぜひ一度手にとってみてくださいね ^ ^
早川書房
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それではまた!
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