まずは戦争のことを知らなきゃ!—『綾瀬はるか「戦争」を聞く』★★☆
爆心地で奇跡的に一命を取り留め67年ぶりに再会を果たした幼なじみ、惨状を目の当たりにして呆然とする女性、救えなかった命の重みを思い続ける男性…。
広島県出身の女優・綾瀬はるかが被爆者や沖縄戦の関係者のもとを訪ねます。
今まで語ることのできなかった辛い戦争の記憶。今、語り継いていきたい大切な記録です。
前回の記事で紹介した新書『核兵器はなくせる (岩波ジュニア新書) 』の中で、僕たちは被爆者の体験を直接聞ける人類最後の世代であると書かれていました。
僕の祖父は、原爆投下から一週間後の広島に行ったと聞いています。
その祖父から「戦争」や「原爆」の話を聞いた記憶はありますが、僕もまだ小学校低学年の頃だったので、残念ながら話の内容をほとんど覚えていません。
祖父からもう一度、当時の話を聞いてみたいのですが、今は重度の認知症を患ってしまい、家族の顔ですら見分けることができなくなっています。
被爆者や戦争体験者が自分のまわりにいないという方が多い中、この本には被爆者や戦争体験者の「直接の声」がたくさん収められています。
瓦礫の下で大けがをして苦しがっている男の子を助け出すことができず、「日本男児だからね、泣くなよ」と言って、その男の子を見捨てて避難せざるを得なかった男性の話。
原爆でひどい火傷を負った幼稚園くらいの女の子が「おかあちゃーん」と叫んでいたのを見つけ、「おかあちゃんよ」と言って抱いてあげたらワンワン泣き出し、そのまま死んでしまったという女性の体験談。
アメリカ兵から自動小銃を乱射された「ひめゆり学徒隊」の泣き叫ぶ声—などなど。
そして、これらの声を今の時代に伝えてくれる方達のほとんどが「自分一人だけ生き残って申し訳ない」と口を揃えて言われているのも、心が締めつけられる思いがします。

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「戦争」や「原爆」って自分とは関係ない話と思っていましたが、人間という生き物は愚かであるがゆえに、悲惨な歴史を繰り返してしまう可能性は十分あります。
ここ近年、自民党が憲法9条を改正しようと躍起になっていますが、自衛隊を戦争のための「戦力」として位置づけるべきだという”過激な意見”も自民党内から出ているようです。
でも、こんなバカな話を簡単に認めるわけにはいかないですよね?
でも、でもでも、僕たち日本国民が「戦争」や「原爆」のことに無関心になってしまうと、アメリカの言いなりになった日本政府(=自民党)は、無知な国民の知らない間に日本を軍事国家へと変えてしまうかもしれません・・・。
なので、まずは日本国民一人ひとりが「戦争」や「原爆」についてきちんと”知る”ことから始めなければなりませんよね。
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どちらの新書もたいへん読みやすく、わかりやすい内容でした ^ ^
引き続き「戦争」や「原爆」の関する本を色々読んで、僕自身が知らなかったことをたくさん学んでいこうと思います。

それではまた!
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