「満州」を知らない日本人は、国際的にも恥をかくと思う—『中学生の満州敗戦日記』今井和也

中学生の満州敗戦日記 (岩波ジュニア新書)
今井 和也
岩波書店
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植民地満州。日々の暮らしの中で「おかしいぞ」と感じていたものの正体が、敗戦と同時に、少年の前に怒涛のように姿をあらわしてくる。

民間人を置き去りにしていち早く逃亡した関東軍、開拓団の人たちの悲惨な逃避行、ソ連軍侵攻による身の危険。

満州で敗戦を迎えた一中学生は、何を見、どんな思いをもちながら、どう生きたのか。

 

学校で「満州事変」という言葉を聞いたことはありますが、今まで「満州」に関する知識なんてこれっぽっちもありませんでした。

そもそも「満州事変」とは、満州鉄道の爆破事件がきっかけで始まった”日本軍による侵略戦争”のことをいいます。

日本軍は、この事件の犯人が中国軍だとでっちあげて戦争を始めました。

そのまま満州全土を占領して「満州国」という国を作ってしまったのですが、日本の陰謀によって作られた「満州国」を国際連盟は国として認めませんでした。

不服に思った日本は国際連盟から脱退し、この「満州事変」がきっかけで、その後の「日中戦争」や「太平洋戦争」へと続いていくのです。

当時の日本って本当にめちゃくちゃな国だったんですね・・・。

 

この本では、終戦と同時に祖国である日本から、ゴミのように捨てられてしまった満州開拓団員たちの悲惨な体験が綴られていました。

すべての社会システムが一夜のうちに溶解し、昨日まで笑顔で接してくれていた隣人が、悪意に満ちた「敵」へと突然変貌してしまい、しかも174万人のソ連軍という敵が怒涛のように蹂躙してくるという恐怖・・・。

しかし、一方的に日本の悲惨な戦争体験だけにとどまらず、森村誠一の『悪魔の飽食』で注目を浴びるようになった「七三一部隊」にもついても言及されています。

 

悪魔の飽食 (第3部) (角川文庫 (6110))
森村 誠一
角川書店
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「七三一部隊」が何をしたのかというと、ずばり、残虐極まりない人体実験や生体実験です。

スパイや反日分子とみなされて連行された中国人、ロシア人、朝鮮人、蒙古人に対して、生きたまま手足を切断したり、細菌感染させて死亡解剖したり、全裸のままマイナス40℃の戸外に放置して凍傷実験を行ったり・・・などなど。

日本人も相当ひどいことをしていることが『悪魔の飽食』を読めばわかります。

 

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いずれにしても、敵味方関係なく当時の誰もが「戦争被害者」であったとしか言いようがありません。

そして筆者は、次のようなことも述べています。

 

「あの民族は残虐である」といったレッテル貼りもまちがっている。自分の狭い経験だけで「民族」や「人種」をひとくくりにするのは構成ではない。国家政策や社会体制が非難されるものであって、そこで生きている個人とは区別する必要がある。

 

本当にその通りだと思います。

そしてこれは「民族」や「人種」レベルの話だけではなく、自分の身近な生活の中でも大切な考え方だと思いました。

いずれにしても一番危険なのは「自分の狭い経験」だけで、いろんな物事を判断してしまうことではないでしょうか?

僕自身もこのままダラダラ歳をとって、めんどくさい「頑固オヤジ」になってしまわなためにも、たくさんの本を読んで知識や見識を広げなければならないと思いました。

これからもたくさん本を読んで、社会や歴史のことを勉強し続けようと思います ^ ^

 

医師、アキラッチョ

それではまた!

 

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