乱歩の精粋ここにあり!『陰獣』『芋虫』『押絵と旅する男』『目羅博士』
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タイトルの4作品がすべて収められているこの本ですが、Kindle版のみで、もちろん【無料】です ^ ^
Kindle Paperwhiteを買ってから、どれだけ書籍代が浮いたことか・・・。
それはさておき、収録されている4作品をさらっと紹介することにしましょう。
『陰獣』★★★
探偵小説作家の「私」は、愛読者である美貌の人妻・小山田静子から奇妙な相談を受ける。文壇を騒がす謎の探偵小説家・大江春泥が静子の元恋人・平田一郎であり、かつて静子に恋破れた彼が復讐のため小山田家の周囲を徘徊しているというのだ・・・
その真相をさぐる主人公の前に展開していった驚嘆すべき真相とは?
静子の心の奥底に潜むマゾヒシズムを中心に、男女の泥沼の世界がリアルに描かれた、江戸川乱歩ワールド全開の作品でした!
この作品の中に「事実は小説家の空想以上なのです」というセリフがありますが、「いやいや江戸川さん、あなたの”空想”は圧倒的に”事実”を超えてますよ!」って言いたくなるレベルです。
そして最後の大どんでん返しと、真相がわからないまま終わるいつものパターン・・・。
これだから江戸川乱歩作品は、中毒性があってやめられなくなるんですよね〜!
『芋虫』★★★
角川グループパブリッシング
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時子の夫は、奇跡的に命が助かった元軍人。両手両足を失い、聞くことも話すこともできず、風呂敷包から傷痕だらけの顔だけ出したようないでたちだ。
外では献身的な妻を演じながら、時子は夫を”無力な生きもの”として扱い、弄んでいた。
ある夜、夫も見ているうちに、時子は秘めた暗い感情を爆発させ…。
先ほどの『陰獣』がマゾヒシズムなら、こちらの『芋虫』はサディステックな作品になっています。
江戸川乱歩の超有名な代表作ですが、その異様な世界観と、誰もが持ち合わせているかもしれないサディスティックな深層心理の描写には、ため息が出るほど深く感銘を受けてしまうかもしれません。
江戸川乱歩のことを知りたい人にとっては、かなり近道になる作品だと思うので、ぜひ一読してみてはどうでしょうか?
『押絵と旅する男』★★☆
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魚津へ蜃気楼を観に行った帰りの汽車の中、二等車内には「私」ともう一人、古臭い紳士の格好をした60歳とも40歳ともつかぬ男しかいなかった。
「私」はその男が、車窓に絵の額縁のようなものを立てかけているのを奇異な目で見ていた。
夕暮れが迫ると、男はそれを風呂敷に包んで片付けた。目が合った。怖さに引き寄せられ、男の前の席に腰掛けると、男はこちらの心を見透かすかのように風呂敷の中身を見せてくれる。それは洋装の老人と振袖を着た美少女の押絵細工だった。
引用:ウィキペディア『押絵と旅する男』より
乱歩らしくない、つまり一言で言えば「無難」な小説ですが、読んだ後になぜかホッと安心できる作品となっています。
先ほどの2作品とは全く”毛並み”が違いますが、ありそうでない幻想的な作品も僕は好きです ^ ^
『目羅博士』★★★
光文社
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語り手の江戸川は、上野動物園で巧みに檻の中の猿をからかう「男」と出会う。
「男」は江戸川に、猿の人真似の本能や、「模倣」の恐怖について語る。
動物園を出た後、上野の森の捨て石に腰をかけ、江戸川は「男」の経験談を聞くことにした。
引用:ウィキペディア『目羅博士』より
そして最後、4作品目は『目羅博士』です。
猿だけでなく人間の「模倣」する本能を利用した、巧妙な殺人事件が描かれている作品です。
かなり古い作品であるにも関わらず、江戸川乱歩のその着眼点は、最近のありふれたミステリー作品では感じることのできない「新鮮さ」や「斬新さ」がビシビシと伝わってきます。
江戸川乱歩ってやっぱり天才作家なんだと、つくづく思います。
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以上、江戸川乱歩の”精粋”とも言われている4作品が全て収録されている『陰獣 芋虫 (江戸川乱歩集) 』ですが、Kindleがあれば【無料】で読むことができます。
スマホのアプリでも読むことができるのですが、とにかくブルーライトによる目の疲れが半端ないです・・・。(経験談)
読書好きの人だけでなく、これから「趣味読書」を目指す人たちにとっても、Kindleは必須アイテムだと思います。
【今度は防水タイプが欲しいな〜!✨】
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Kindleのメリットについては以前の記事でも書いているので、ぜひ参考にしてみてくださいね ^ ^

それではまた!
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