脳幹出血って危険なの?症状や治療法について解説

脳幹出血

 

脳出血の中でも最も重篤な症状を起こすのが「脳幹(のうかん)出血」になります。

「脳幹」は非常に小さな脳なのですが、生命活動を維持する上で重要な役割を担っているのです。

今回はこの脳幹出血を起こした時の症状や治療法などについて詳しく解説していきます。

 

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脳幹出血とは?

脳幹」とは「」の「(みき)」と書きますが、その名前の通り重要な役割を担っています。

まずは脳幹の主な役割を挙げてみましょう。

 

呼吸をする命令を出す

心臓の働きを調整する

ものを飲み込む時の調節をする

意識を保つ

手足の動き感覚を伝える神経の通り道

 

これらの働きはどれ一つとっても、人間の生命活動を維持するためになくてはならないものばかりです。

この大切な役割をもつ脳幹に出血を起こすと、深刻な後遺症が残ることは容易に予想がつきます。

脳幹出血の原因は、次の3つがあります。

 

高血圧

海綿状血管腫(かいめんじょうけっかんしゅ)

脳動静脈奇形(のうどうじょうみゃくきけい)

 

最も多い原因は「高血圧」ですが、実際の救急医療の現場において「海綿状血管腫」からの脳幹出血を起こした患者さんも少ないくない印象を受けます。

脳幹出血は脳出血の中でも約10%ほどですが、重症度は最も高い脳出血になります。

 

小脳、脳幹

 

脳幹出血で起こる5つの症状

同じ脳幹出血でも、出血を起こす部位や大きさによって症状の重症度は異なります。

出血が大きくなると取り返しがつかなくなる場合が多いので、初期症状を見逃さないことが重要になります。

脳幹出血で起こる主な症状を5つ、それぞれ解説していきます。

 

手足の麻痺・しびれ

脳幹には「運動神経」や「感覚神経」が束になって走行しています。

したがって、脳幹出血によって神経の束を断ち切ってしまうと、手足の麻痺しびれ感覚障害)を起こします。

たとえ1mm程度の非常に小さな出血でも、手足が完全に動かなくなってしまう場合もあります。

 

めまい

脳幹出血を起こした時は、急にめまいがして体のバランスがうまくとれなくなったり、ふわふわとした浮遊感を感じるようになって船酔いをしたような症状が出現する場合があります。

 

一方で、めまいという病気は耳の一時的な障害が原因で起こることがあります。

この場合は「回転性めまい」と言って、見ているものがグルグルと回ったり、横に流れていくように見える特徴があります。

耳が原因で起こるめまいはすぐに治るので「良性」めまいと呼ばれていますが、脳幹出血で起こるめまいは場所が場所だけに「悪性」と言えるかもしれません。

 

めまい

 

呂律が回らなくなる

脳幹出血を起こすと、急に呂律が回らなくなって、うまくしゃべることができなくなってしまう場合があります。

この呂律が回らない症状を「構音障害(こうおんしょうがい)」と呼んでいます。

 

構音障害は自分自身で気がつくことは少なく、周りの人に指摘されて病院を受診する場合が多いです。

構音障害と同時に、飲み込みが悪くなってむせるようになる「嚥下障害(えんげしょうがい)」もあれば、脳幹出血の可能性は高くなります。

 

物が二重に見える

物が二重に見えるようになる症状を「複視(ふくし)」と呼んでいます。

脳幹には眼を動かす神経が存在するため、出血を起こすと目の動きがバラバラになってしまうことがあります。

そのため左右の目で見た物が一つの像を結ばなくなってしまい、複視という症状を起こしてしまうのです。

小さい脳幹出血の初期症状として多いので、複視があればすぐに病院を受診する必要があります。

 

呼吸障害・意識障害

脳幹出血の中でも「延髄(えんずい)」と呼ばれる部分に出血すると、呼吸ができなくなります。

また脳幹は意識を保つための中枢でもあるので、出血がひどい場合は意識障害を起こして昏睡状態になることもあります。

大きな脳幹出血を起こした場合には、突然倒れて急死してしまう患者さんもいます。

脳出血の中でも、最も危険なのが脳幹出血なのです。

 

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脳幹出血の治療法

脳幹出血の治療ですが、基本的には以下の内科的治療が中心になります。

 

血圧管理・・・上の血圧を140mmHg以下にコントロール

グリセオール・・・脳の腫れを改善する薬

止血剤

 

これらの治療に加え、呼吸障害があれば人工呼吸器による呼吸管理が必要になります。

 

点滴

 

脳幹出血では、たとえ出血が大きくても簡単に手術をすることはできません。

手術をするためには、非常に難易度の高い脳外科手術テクニックが必要になります。

(脳幹の手術をできる脳外科の先生は、日本に数えるほどしかいません・・・)

 

また脳幹は生命活動を維持するために重要な役割を担っているため、手術をすることで余計に症状が悪化してしまう可能性が高いのです。

脳幹出血の原因が「海綿状血管腫」と呼ばれる良性のデキモノであれば、再出血を予防する目的で手術が必要になる場合もありますが、いずれにしても非常に難易度の高い手術になるので慎重に検討した方がよいでしょう。

 

脳幹出血はどこまで回復するの?後遺症は?

最後に、脳幹出血はどこまで機能が回復するか?という問題です。

他の脳出血と同様、出血の大きさが非常に小さければ、全く後遺症を残さずに社会生活に戻ることも可能です。

しかし脳幹という場所は非常に小さくて狭いのに、生命活動を維持するために重要なものがギューっと凝縮されているので、数ミリくらいの小さな出血でも非常に重篤な後遺症が残る場合があります。

 

・手足の麻痺が残って、車椅子生活になる人

・意識が戻らなくなって、寝たきりになる人

・自分で呼吸ができなくなり、人工呼吸器から離脱できなくなる人

 

そして脳幹という場所が場所だけに、出血を起こした直後に急死する人もいます。

 

脳幹出血を含めた脳出血の一番の原因は「高血圧」です。

患者さんの中には、気がつかないうちに高血圧になっていたという人もいます。

脳出血にならないためにも、日頃からご自身の血圧変化には十分気をつけておきましょう^ ^

 

それではまた!

 

高血圧