脳腫瘍の初期症状かも? 頭痛とめまいに注意しよう!

頭痛、脳腫瘍

 

脳の病気の中には「脳腫瘍」という恐い病気があります。

脳腫瘍といえば”治らない病気”とか”死んでしまう病気”という悪いイメージもあり、できるだけ早期発見して治療を開始したいものです。

今回は、頭痛めまいが初期症状として発症する「脳腫瘍」の種類や検査、そして治療法などについて詳しく解説していきます。

 

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脳腫瘍とは?

脳腫瘍」とは脳にできる腫瘍性病変のことで、わかりやすく言うと「脳にできる悪いデキモノ」ということになります。

少し難しい話になるのですが、いわゆる”がん”ではありません。

 

脳に存在するさまざまな細胞から発生する”原発性”脳腫瘍は、一年間で人口1万人に対して1人の割合で発生するくらいの稀な病気です。

乳児から高齢者までどの年代の人にも起こる可能性があります。

 

「脳腫瘍」イコール「不治の病」というイメージもあるかと思われますが、実際は”良性”の脳腫瘍が半数以上を占めていて、治療によって完全に治る脳腫瘍もたくさんあるのです。

 

頻度の高い脳腫瘍ベスト5!

脳腫瘍は「悪性」と「良性」とに大きく分けることができます。

また、脳腫瘍がどこから発生したのかによって、次のように分けることもできます。

 

原発性脳腫瘍:脳に存在する様々な細胞から発生

転移性脳腫瘍:他の臓器にできた癌(がん)が脳に転移したもの

 

転移性脳腫瘍の原因となるガンの中で最も多いのが「肺がん」で、全体の約50%を占めています。

それに次いで「乳がん9.3%、「直腸がん5.7%、「腎臓・膀胱癌5.3%という順番になります。

 

一方で原発性脳腫瘍は、原因となる細胞の種類によって様々なタイプの種類があります。

その中でも頻度の高い”原発性”脳腫瘍を5つピックアップしてみましょう。

 

髄膜腫(ずいまくしゅ)

髄膜腫」は原発性脳腫瘍の中で最も多い腫瘍で、全体の約27%を占めています。

この髄膜腫は、脳をおおっている硬膜(こうまく)などから発生する脳腫瘍で、基本的には良性です。

症状が全くないのに、脳の検査でたまたま発見されることがあります。

非常にゆっくりと大きくなりますが、大きくなりすぎてしまうと脳に障害が出てしまうので、約3cmを超えるような髄膜腫は治療しなければなりません

 

神経膠腫(しんけいこうしゅ)

脳の神経細胞は「神経膠細胞(しんけいこうさいぼう)」という細胞によって支えられています。

この神経膠細胞から発生する腫瘍が「神経膠腫」と呼ばれる脳腫瘍で、原発性脳腫瘍全体の約25%を占めています。

神経膠腫は別名「グリオーマ」とも呼ばれていますが、大きく2種類に分類することができます。

 

星細胞腫(せいさいぼうしゅ)

 →別名:アストロサイトーマ

乏突起膠腫(ぼうとっきこうしゅ)

 →別名:オリゴデンドログリオーマ

 

この2種類の腫瘍が混ざった腫瘍(オリゴアストロ)もあります。

また星細胞腫だけでも、病理組織検査の結果でたくさんの種類に分類されます。

(複雑すぎるので割愛します・・・)

 

これらの神経膠腫は悪性度4段階に分けられています。

グレード1は良性の神経膠腫です。

数字が大きくなるほど悪性度が高くなり、グレード4が最も悪性でどんな治療を行っても一年間くらいしか生きることができません。

 

下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)

原発性脳腫瘍の約18%を占めているのが「下垂体腺腫」です。

下垂体腺腫が発生する「下垂体」という小さな臓器は、鼻の奥にずーっと入っていったところにある「トルコ鞍」と呼ばれる場所に収まっています。

下垂体の主な役割は、生命活動を維持するために必要なホルモンを産生することです。

したがって下垂体が腫瘍化してしまうと、様々な下垂体ホルモンが大量に産生され、そのホルモンによって色々な症状が出現します。

例えば「成長ホルモン産生腫瘍」であれば「先端肥大症」や「巨人症」、またプロラクチン産生腫瘍であれば「月経不順」「乳汁分泌」などの症状が現れます。

 

神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)

神経鞘腫」は神経を包んでいる鞘(さや)から発生する良性の腫瘍です。

全体の約10%を占めており、神経鞘腫の中でも特に多いのが「聴神経鞘腫」といって、耳の神経から発生する腫瘍になります。

耳鳴りめまい症状が出現したり、耳が聞こえにくくなる患者さんもいます。

基本的には良性腫瘍なのですが、大きくなると近くにある脳幹にも障害がおよび、命に関わる症状が出現してくるので、手術や放射線治療などを行う必要があります。

 

頭蓋咽頭腫(ずがいいんとうしゅ)

頭蓋咽頭種」は、胎児期の「頭蓋咽頭管」と呼ばれる組織が消えてなくならず、脳の中に残ってしまったものから発生する脳腫瘍です。

全体の約4%を占めており、下垂体の茎のところに発生することが多いです。

基本的には良性腫瘍なので、手術で全摘出できれば完治しますが、全摘出が難しい場合は再発を繰り返し治療が困難になります。

 

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脳腫瘍の初期症状は?頭痛とめまいに注意!

脳腫瘍には様々な種類のものがあり、それぞれ発生する場所が異なります。

発生する場所によって出現する症状が異なりますが、脳腫瘍には共通した症状もあります。

脳腫瘍を早期発見するためには、まず初期症状を見逃さないようにしなければなりません

それでは脳腫瘍の主な初期症状5つについて解説していきます。

 

週末頭痛、休日頭痛、頭痛

 

頭痛・嘔吐

脳腫瘍ができると、慢性的な「頭痛」に悩まされるようになります。

脳腫瘍の時の頭痛の特徴を挙げてみましょう。

 

朝起きた時に頭痛がある

吐き気嘔吐を伴う

・夕方になると少し回復する

 

夜眠っている間は呼吸の回数が少なくなります。

メカニズムは少し難しいのですが、呼吸回数が少なくなると脳は生理的に腫れてきます。

脳腫瘍+夜間の生理的な脳の腫れによって、朝起きた時の頭痛が起こるのです。

 

また脳腫瘍が大きくなると「吐き気」や「嘔吐」といった症状も出現します。

慢性的に続く頭痛は、脳腫瘍の共通する症状なので注意が必要です。

 

手足の麻痺・しびれ

脳の中でも運動神経が集まっている部分に脳腫瘍ができると「手足の麻痺」や「痺れ」を自覚するようになります。

脳腫瘍によって神経が圧迫されて、脳の機能が障害されるために起こります。

脳腫瘍の発生場所によっては、言葉が出にくくなったりすることもあります。

また認知症が進んだと思っていたら、脳腫瘍が原因だったというケースもあります。

 

視力障害・視野障害

下垂体腺腫」が大きくなってくると「視力障害」や「視野障害」を起こします。

下垂体が視神経の近くにあるため、腫瘍が大きくなると視神経が圧迫され、視力や視野に影響が出てきます。

視野障害の特徴としては「両耳側半盲(りょうじそくはんもう)」というものがあります。

両方の視野の耳側が欠けて見えにくくなるのが特徴的な症状です。

 

めまい・耳鳴り

聴神経鞘腫」では「めまい」や「耳鳴り」などの初期症状が現れます。

腫瘍が大きくなると「聴力障害」や「ふらつき」などの症状も出てきます。

 

腫瘍が小型のものであれば、定期的なMRI検査だけで経過観察となりますが、大きな聴神経鞘腫は手術が非常に難しくなります。

腫瘍サイズが小さいものであれば”切らずに治す”放射線治療ガンマナイフサイバーナイフ)で治療することも可能です。

 

痙攣(けいれん)

脳腫瘍が脳の表面に近い場所にできると「痙攣」を起こすことがあります。

全身に力が入って、手足をブルブルと震わせて硬直する状態です。

痙攣発作を起こした時は、すぐに治療をしなければ脳に重篤な後遺症が残ってしまう場合もあります。

痙攣は、脳腫瘍の初期症状として出現することがある危険な症状なのです。

 

脳腫瘍を見つけるための検査は?

脳腫瘍の初期症状を感じたら、不安や心配を抱えたまま生活するよりも、病院を受診して早めに検査をする方がよいでしょう。

脳神経外科を受診することになりますが、脳腫瘍を診断するためにはCTMRIといった画像検査が必要になります。

 

まず最初にざっくりと素早く検査することができるCT検査を行います。

もしこのCT検査で脳腫瘍を疑えば、次にMRI検査を行います。

脳腫瘍をきちんと診断するためには造影剤を使ったMRI検査も必要になります。

 

脳腫瘍は1年間人口1万人1人しか発症しない稀な病気ですが、もし不運にも脳腫瘍と診断されれば、手術治療のための検査として脳血管造影検査(カテーテル検査)や、血液検査なども行います。

手術が難しい場合や、MRI検査でも診断がつかないような場合は、局所麻酔をして頭に穴を開けて、脳腫瘍組織を少しだけ採取して調べる「生検(せいけん)」という検査を行う場合もあります。

様々な検査を行って脳腫瘍を正確に診断し、適切な治療につなげていく必要があります。

 

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脳腫瘍の治療法

脳腫瘍の治療法ですが、次に挙げる3つの治療が中心となります。

 

手術

放射線療法ライナック、ガンマナイフ、サイバーナイフ

化学療法:テモゾロミドなど

 

基本的にはこの3つの治療を組み合わせて脳腫瘍の治療を行うことになります。

 

まず「髄膜腫」や「下垂体腺腫」などの良性腫瘍ですが、最も確実に治すことができる治療法は手術になります。

もちろん腫瘍と周辺組織の癒着や、腫瘍の発生する場所によっては完全に摘出することができず、再発を繰り返すような脳腫瘍患者さんもいます。

このような良性腫瘍は”臨床的に悪性脳腫瘍”と考えられていて治療に難渋します。

 

くも膜下出血、治療、手術

 

それでは悪性腫瘍はどうすればよいのでしょうか?

 

標準的な治療としては、まず手術でできるだけ腫瘍を摘出します。

そして残った腫瘍に対して放射線療法を行い、残存する腫瘍をできるだけ小さくします。

最後にテモゾロミドなどの化学療法を行い、悪性脳腫瘍の再発期間を遅らせます。

 

しかし悪性脳腫瘍の代表格である「膠芽腫(こうがしゅ)」に至っては、どれだけ適切な治療を行っても残念ながら約1年しか余命がありません

 

悪性脳腫瘍の発生場所によっては、手術を行うことで手足の麻痺などの後遺症が残ってしまい、車椅子生活を余儀なくされる場合もあります。

また手術を行う時は髪の毛を剃らなければならないので、女性の方はツライです。

悪性脳腫瘍の治療は、確実にQOL(※ QOL:生活の質)の低下を招くことになるでしょう。

 

小さいうちに脳腫瘍を発見することができれば、良性・悪性に関わらず治療の選択肢が増えます。

発見が遅れて治療することが困難になったり、治療ができなくなってしまう前にできるだけ早期発見に努める必要があります

頭痛”や”めまい”をはじめ、脳腫瘍の初期症状を見逃さないようにしましょう ^ ^

 

それではまた!

 

くも膜下出血、治療