「頭痛」で悩まれている方は、日本全国で約4,000万人もいると推定されています。
これは単純計算で、日本人の3人に1人は頭痛持ちということになります。
この頭痛にも様々な種類の頭痛があり、それぞれ原因や治療法が異なっています。
毎日頭痛で悩まれている方、頭痛の治療をしているけど全然よくならない方、全国にたくさんいらっしゃると思います。
まずはご自身の頭痛がどのタイプの頭痛なのかを知ることから、頭痛の治療は始まるのです。
ぜひ参考にしてみてください!
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【目次】
頭痛の種類
まず頭痛の種類ですが「一次性頭痛」と「二次性頭痛」とに大きく2つに分けることができます。
頭痛を理解するためには、まず一次性頭痛と二次性頭痛の違いを知ることから始まります。
そして一次性頭痛の代表格になる「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」について、簡単に解説していきます。
※もっと詳しい話は、各頭痛の名前をクリックしてみてください^ ^
一次性頭痛と二次性頭痛
「一次性頭痛」とは、いわゆる「頭痛持ち」の患者さんの頭痛です。
頭痛全体の約80%がこの一次性頭痛で、「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」がその代表格の頭痛になります。
一方で「二次性頭痛」とは、脳や身体の病気が原因となって「二次的」に頭痛が起こるものになります。
脳腫瘍や脳出血など脳の病気だけでなく、目の病気(緑内障)や鼻の病気(ちくのう症)なども原因となります。
片頭痛
「片頭痛」の患者さんは、全国に約840万人もいると推定されています。
頭のこめかみのところが脈を打つように、ズキンズキンと痛くなる特徴を持つ頭痛です。
目の前にギザギザとした光が見えて、視野の一部分が見えにくくなる「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれる前兆が起こる患者さんもいます。
病院を受診すれば「片頭痛薬」もあるので、我慢し続けるのではなく早めの病院受診をお勧めします。
緊張型頭痛
「緊張型頭痛」の患者さんは、全国に約800万人いると推定されています。
肩こりや首のコリが原因で後頭部やこめかみの筋肉が緊張し、ギューっと締め付けられるような重い頭痛を起こすのが特徴です。
長時間のデスクワークや細かい作業が緊張型頭痛の要因となります。
マッサージやストレッチなどで筋肉の緊張をほぐすことが根本的な解決法になりますが、頭痛症状が改善しなければ病院で処方される「緊張型頭痛薬」を内服するのもよいでしょう。
群発頭痛
片方の目の奥をえぐられるような激しい痛みを起こすのが「群発頭痛」です。
主に20〜30歳代の若い男性に多い頭痛ですが、最近では女性の群発頭痛患者さんも増えてきています。
群発頭痛は市販の頭痛薬が全く効きません。
ひどい頭痛発作を起こした場合は病院を受診し、100%純酸素療法やイミグラン®︎の注射による治療が必要となります。
群発頭痛薬であるイミグラン®︎の自己注射キットもあるので、頭痛発作が頻発する方は病院で相談してみましょう。
部位別の頭痛
どのタイプの頭痛なのかを診断するのは、実際には非常に難しいケースもよくあります。
片頭痛と緊張型頭痛が一緒に起こっているような頭痛もあれば、同じ片頭痛でも頭痛発作の頻度や強さが全く異なる場合もあります。
ここでは頭のどの部分が痛くなるかという点に注目し、頭痛の原因やタイプについて考えていきます。
前頭部の頭痛
おでこや目の近くが痛くなる「前頭部頭痛」の原因は①ストレス、②眼精疲労、③ちくのう症、④群発頭痛の4つが代表格になります。
パソコン作業やスマートフォンなどで目を酷使することに起因する、ストレス性や眼精疲労による前頭部頭痛が最も多いですが、中には鼻の病気である「ちくのう症」が原因となることもあります。
後頭部の頭痛
後頭部がズキズキと痛くなる頭痛の原因として最も多いのが「緊張型頭痛」になります。
その他にも後頭部の皮膚の中を走行している感覚神経の障害によって起こる「後頭神経痛」や、後頭部頭痛から始まるタイプの「片頭痛」も原因になることがあります。
側頭部の頭痛
こめかみのところがズキズキと痛くなる側頭部頭痛の原因で、最も多いものは「片頭痛」になります。
また肩こりや首のコリが原因で起こる「緊張型頭痛」でも、こめかみのところに締め付けられるような頭痛を起こすことがあります。
非常に稀な病気になりますが「側頭動脈炎(そくとうどうみゃくえん)」と呼ばれる病気でも側頭部頭痛を起こすことがあります。
この側頭動脈炎は50歳以上の女性に多い病気で、病状が悪化すると「失明」することもある非常に恐い病気です。
目の奥の頭痛
目を中心とした頭痛を起こす原因としては①眼精疲労、②ドライアイ、③群発頭痛の3つが挙げられます。
「群発頭痛」であれば市販の頭痛薬が全く効かないので、頭痛発作がひどい場合は病院を受診し、純酸素療法やイミグラン®︎の注射治療を行う必要があります。
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頭痛の検査・治療
頭痛があまりにもひどい場合は病院を受診し、必要に応じて頭の検査を行う場合もあります。
それでは「頭痛」は何科のお医者さんに診てもらえばよいのでしょうか?
また頭痛の検査はCTとMRIのどちらがよいのでしょうか?
頭痛の検査はCT?MRI?
頭の検査はCTとMRIがあります。
緊急ですぐにできる検査はCTの方で、主に「脳出血」や「頭部外傷」など出血性病変の検出に優れています。
迅速で簡単に検査ができるというメリットがありますが、一方で放射線に被曝してしまうというデメリットもあります。
MRIは脳の血管も調べることができ、CTよりも詳しく脳を調べることができます。
MRIは主に「急性期の脳梗塞」や「脳腫瘍」の検査に適しています。
放射線に被曝しないというメリットがありますが、検査に時間がかなりかかってしまうデメリットがあります。
頭痛は何科を受診すればいいの?
それでは「頭痛」という病気は何科を受診すればよいのでしょうか?
突然起こった頭痛や、今まで経験したことがないようなひどい頭痛であれば、CTやMRI検査のできる総合病院を受診した方がよいでしょう。
もし近くに「頭痛外来」を行っている病院があれば、まずは頭痛専門医にぜひ相談に乗ってもらいましょう。
その他の頭痛
「頭痛」という病気は、その他にもさまざまな原因で起こります。
ここでは「こんな原因で頭痛を起こすことがあるんだ!」っていうものを紹介していきます。
薬物乱用頭痛
頭痛がよくならないからといって、頭痛薬を毎日のように飲み続けてしまうと「薬物乱用頭痛」を起こしてしまいます。
薬物乱用頭痛は、片頭痛や緊張型頭痛に次いで3番目に多い頭痛になります。
治療の原則として、まずは原因となっている頭痛薬を中止することから始まります。
薬物乱用頭痛は必ず治すことができるので、頭痛専門医に相談の上、あきらめずに治療に向き合うことが大切です。
アイスクリーム頭痛
アイスクリームやかき氷などの冷たいものを急に食べると、おでこやこめかみのところがキーンと痛くなるのが「アイスクリーム頭痛」です。
冷たいものを食べる時は、最初にゆっくりと慣らすようにして食べることでアイスクリーム頭痛を予防することができます。
もしアイスクリーム頭痛が治らない場合は、痛くなっているところを冷やしてみると頭痛が改善します。
VDT症候群
パソコンやスマートフォンなどのモニターからはブルーライトと呼ばれる光が出ています。
このブルーライトに目が長時間暴露されることによって、目の障害や頭痛などを起こしてしまうのが「VDT症候群」です。
VDT機器が生活の必需品となっている現代では、誰にでも起こる病気です。
症状が悪化すると精神障害を来すこともあるので、目を休めるなど意識的に予防することが重要となります。
まとめ
いわゆる頭痛持ちの「頭痛」は一次性頭痛にあたります。
この一次性頭痛には「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」の3つがあり、それぞれ原因が異なるため治療法も異なってきます。
まずはきちんとした頭痛の診断をすることが、間違った治療を防ぐために重要です。
また「一次性頭痛」に対して「二次性頭痛」と呼ばれる頭痛は、他の病気が原因となって二次的に起こる頭痛のことです。
この二次性頭痛は、脳腫瘍や脳出血だけでなく、脳以外の全身の病気が原因となる場合もあります。
二次性頭痛の中には「命に関わるような病気」が原因となっていることもあるので注意が必要です。
「突然の頭痛」や「今まで経験したことのないようなひどい頭痛」があれば、危険な病気が原因となっている可能性が高いため、すぐに病院を受診するように心がけてください。
それではまた!